バリ取り指示がない図面。組立で手を切って全数手直しになった話
「常識だから書かなくていい」が一番危ない
バリ取りの指示がなかった
バリ取りの指示がない図面で、レーザー切断のままの部品が納入されました。組立の作業者が手を切りました。
何が起きたか
- レーザー切断のドロス(切断面の付着物)が残ったまま納入された
- 図面にエッジ処理・バリ取りの指示が一切なかった
- 組立工程で作業者が手を切り、作業が中断
- 在庫分を含めて全数バリ取りの手直しになった
レーザー切断のドロス、切断面に付く溶けた金属の付着物が残ったまま納入されました。図面には、エッジ処理やバリ取りの指示が一切ありませんでした。組立工程で作業者が手を切り、作業が中断します。在庫にあったぶんも含めて、全数バリ取りの手直しになりました。
この手戻りの損失(試算)
- 全数バリ取り手直し 300個 × 2分 — 80,000円
- 作業中断と安全確認・報告 — 4時間
- 仕入先との仕様すり合わせ・再発防止 — 6時間
- 労働災害として記録が残る — —
手直しそのものは、一個二分でも三百個で十時間、八万円です。しかし本当の損失はそこではありません。作業中断と安全確認、仕入先との仕様すり合わせに時間が取られ、そして労働災害として記録が残ります。金額に換算できない部分のほうが大きい型です。
どこで発覚し、どこで防げたか
- 設計
- 出図
- 材料手配
- 切断・加工
- 検査
- 組立
- 客先
発覚したのは組立工程で、人が怪我をしてからです。図面の不備の出方として、これが一番避けたい形です。「バリ取りなんて常識だから書かなくていい」という判断がどこかで入っていたはずですが、常識の範囲は会社によって違いますし、仕入先が変われば変わります。
検図します。注記欄のないこの図面を読み込ませると、バリ取り・エッジ処理の指示がないという指摘が出ました。重要度は軽微に分類していますが、軽微だから無視してよいという意味ではありません。指摘を埋もれさせないために、軽微な指摘は最大三件までに絞っています。
この型を防ぐには
- 「常識だから書かなくていい」の常識は、会社と仕入先で違う
- エッジ処理は、書かれていなければ「やらない」が正しい解釈
- 注記の1行「指示なきエッジはバリ取りのこと」で防げる
- 人の怪我につながる指示は、必ず図面に残す
防ぐには、常識の範囲が会社と仕入先で違うと認めることです。エッジ処理は、図面に書かれていなければ、やらないというのが正しい解釈です。注記に一行、指示なきエッジはバリ取りのこと、と書くだけで防げます。人の怪我につながる指示は、必ず図面に残してください。
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