ズメケンDXF DRAWING CHECK
材質未記載の事例

材質が書かれていない図面で、見積りが3日止まった話【製造業のヒヤリハット】

不良にはならない。ただ、止まる

材質が書かれていない図面で、見積りが3日止まった話【製造業のヒヤリハット】

材質が書かれていない図面

材質の書かれていない図面が来ました。不良品は一つも出ていません。ただ、見積りが三日止まりました。

何が起きたか

  • 表題欄に材質欄がなく、注記にも材質の記載がなかった
  • 調達は SS400 か SPCC かを判断できず、見積りを出せない
  • 設計担当者は出張中。確認が取れたのは3日後
  • 「たぶんSS400」で進めていたら、強度不足の部品ができていた

表題欄に材質の欄がなく、注記にも材質の記載がありませんでした。調達部門は、エスエス四百なのかエスピーシーシーなのかを判断できません。材質が決まらなければ、材料の単価も加工方法も決まらないので、見積りが出せません。設計担当者は出張中で、確認が取れたのは三日後でした。もし、たぶんこれだろうで進めていたら、強度の足りない部品ができていました。

この手戻りの損失(試算)

  • 見積り提出の遅延 3日 — —
  • 問い合わせと社内での確認 延べ4時間 — 32,000円
  • 競合他社の先行提出による失注リスク — —
  • (誤った材質で進めた場合)全数作り直し — 180,000円

この型の損失は、金額として計上されにくいのが特徴です。不良品は出ていないので、品質のデータには残りません。しかし見積りが三日遅れ、その間に競合が先に出していれば失注します。問い合わせと社内確認に延べ四時間。そして、確認せずに進めていた場合は全数作り直しでした。

どこで発覚し、どこで防げたか

  • 設計
  • 出図
  • 材料手配
  • 切断・加工
  • 検査
  • 組立
  • 客先

発覚は材料手配の直前です。不良として発覚するわけではないので、品質記録には何も残りません。記録に残らないということは、対策も打たれないということです。だからこの型は、同じ会社で何度でも繰り返されます。

検図してみます。寸法はすべて正しく入っている図面です。読み込ませると、材質の記載がないという指摘が出ました。表題欄と注記欄の両方を全文で照合して、材質を示すキーワードが一つも見つからなかった、というのが根拠です。あわせて、一般公差や表面処理の記載漏れも同時に出ています。

この型を防ぐには

  • 「止まる損失」は記録に残らないので、対策が打たれない
  • 材質・熱処理・表面処理は、無いと後工程が全部止まる
  • 表題欄のテンプレートに空欄を残さない運用にする
  • 出図前に、記載必須項目の有無だけを機械的に確認する

防ぐうえで一番大事なのは、止まる損失を可視化することです。不良にならない損失は記録に残らないので、対策が打たれません。材質や熱処理、表面処理は、無いと後工程が全部止まります。表題欄のテンプレートに空欄を残さない運用にして、出図の前に、記載必須項目の有無だけでも機械的に確認してください。

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現場で起きた話(ヒヤリハット事例)

図面の不備が現場で何を起こすか。事例が主役で、ツールは後半に30秒だけ出ます。

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